「3日住めばハマっ子」フレーズの謎



埼玉旅人だけど、地元が横浜の、埼玉を巡るおすし(←ややこしい)*なたーちゃです。



横浜は「3日住めばハマっ子」という謎のマジカルフレーズがありますが、それは流れ者が多いゆえに言われる言葉です。
そんな横浜は、開国前(1860年より前)は、寒村で寂れたところでした。


『開国前の横浜絵図』
http://www.kaikou.city.yokohama.jp/kids/kids01_e_01.html

<横浜開港資料館のページへ飛びます>

新しいものを取り入れる場所になって、新しい人にも寛容になったのかもしれません。

なお、私は横浜3代目ですが、私の祖父母は結婚をひいばあさんに反対されて、岡山から大阪→横浜と出てきた人らしいです。
都会は親族の過干渉もないし、仕事もあります。地元に帰れない人にとっては、必要な場所=都会です。
でも、これを地域力に換算すると…あれ? 地域力、特色力が少ない。新しいものも都市的な文化もあるけど、地域色が少ない。カネで買えるものはなんでもあるけど、カネで買えないものが少ない。


じゃあ、埼玉県は……?


さて、ここで日本の平均と呼ばれる埼玉について振り返ってみましょう。
他県から埼玉は移住する人はどれくらいで「埼玉県民」になれるでしょうか?



  • 市町村名がとにかく多い=覚えるの大変
  • クレヨンしんちゃんみたいなファミリー層が多い=地域力・商工会・町内会などのつきあい力必須
  • 畑が多いから、ある意味田舎(でも都会に近い適度な田舎)
  • 交通が不便な所もあるので修行(バス便や車などの足・高架JRの乗り換えに必須な階段昇降力・公共交通を待つ忍耐力)が必要
  • 電車の乗り換えが(わりと)上級者向け:←注:小竹向原
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結論:埼玉人になるには3年かかる


私は、埼玉に住んで3年目くらいで「そろそろ埼玉県民になってきたかも」と思い始めました。


埼玉県のコミュニティ文化

私はご先祖が埼玉系とはいえ、横浜から来たある意味アウトサイダーなので、埼玉の文化があまりにも新鮮でした。
横浜では下町の地域を除いて、伝統的なお祭りがほとんどありません。

しかし、埼玉ではどうでしょう。各地域バラエティに富んだお祭りの数々が。
本当にこれはすばらしいです。


夏は花火でお祭り!(越生・夏祭り)




 

小鹿野では真冬に鉄砲バンバン打ち鳴らして馬を走らせるお祭り!(小鹿野・鉄砲祭り)



神社が移築される時だってお祭り!(久喜市栗橋 八坂神社)





秩父地域だともうそれはそれは一年中お祭りがあるそうなので、一体どんな風にみなさん参加されているんでしょうね?




↑コメ欄「つまり年中お祭り」、その通り。


秩父地域に至ってはもはや1〜12月まで祭りがあるので、祭りをやらなきゃ秩父民じゃない!ということになります。
埼玉がゆるキャラ先進国なのも、各地域に個性豊かなお祭りがあるのも、「地域力」が強い証なのかもしれません。

埼玉は新興世帯や一人暮らしの人が多い南部のごくごく一部の地域を除いて、大抵おまつりにおけるコミュニティがあります。




秩父民のお祭り根性はおまつり県の埼玉内でも異常(秩父・川瀬祭り)


埼玉はこのように、自分がすすんで参加して「市民」(町民、村民など)になり、地域の一員になる事が結構大事だったりします。


でも埼玉はフレンドリーに見えて排他的


お祭り文化は地域の結束力を高めることに、とても良いです。
でも、これは言い換えると、ある意味でじつは排他的です。


そう、埼玉は地域力が高い故に、地域内の結束が強すぎる故に、地域外からの人が入りやすいところが少ないのです。
広報啓発活動からしても「埼玉育ち優遇」が強く、アウトサイダーにとにかく厳しい。
この辺りが、「3日住めばハマっ子」「3年住めば埼玉っ子」の大きな違いともいえます。だからこそお祭りも多いし、地域力が高く、フレンドリーに見えて案外排他的ともいえるので、「とりあえず3年」かかるといえるのです。

埼玉は探すと面白いものがたくさん出て来るので、旅人にとってはとても面白い場所ですが、外から馴染むのは案外ハードルが高い。都会に見えて、牧歌的で原始的な部族主義の結束が残っているようにも見えます。だからこそ、地元力が横浜よりも高いのです。

逆に、私はいつでも横浜を「捨てる」ことができます。
人口が多すぎてあまり帰属感もないし、3日で住める場所はすぐに出ていくこともできる。来るもの拒まず去る者追わずという、いろんな流れ者を受け入れる土地特有のドライさがあります。





埼玉県民はヌルく地元に愛着


こういう感じで旅を続けてきましたので、埼玉県民の子が「うちは◯◯市育ち」「私は◯◯市!」と出身地を誇らしげに語るのが、(なんとなくですが)理解できるようになってきました。

私も新座市に3年住んでいたので、やっと「新座好き」「元新座の住民です」と愛着を持って言えます。
旅を続けていろんな埼玉を見ているうちに、何となく埼玉の子は自分の出身地にすごく愛着を持っている理由がわかってきた気がします。(まだやっとその片鱗が見えてきただけだけども)


埼玉県民は「埼玉大好き!」と声を荒げて言うことはありません。土地にすっかり馴染んでいるからです。
恋愛と同じで、ずっと「好き好き好きィ!」って言ってると、絶対どこかで反動が来ます。
そういう人は見かけた事がないので、埼玉はぬるく地元愛を育んで行く場所でもあるのです。
(だからこそ、「埼玉大好き!大好き!」と連呼するだけで売られている某市の芸能人さんを見ると、「あっ…(察し)」となります。真の埼玉県民はそんなことを言わないのでもう、違和感がひどい(笑)

埼玉県民は、土地とじわじわと地元愛を育んで行く地味なカップルみたいなものなので、その期間も含めて3年位が必要なのかなと思います。



横浜は商売っ気のあるギラギラした人が多くて「横浜ブランド」をゴリゴリセールスしていますが、私はそういう横浜をまったく好きではありません。
土地開発のやりすぎで地方色が削られているし、3代まで暮らしていても地元愛ってあまり感じたことがないんですよね。だから埼玉に憧れています。



なたーちゃ