Day4 Chapter 3 :Odense/Copenhagen
オーデンセの旧市街。
全体的なカラーリングが調和していて、とても可愛い街。
聖クヌート教会で…謎の号泣
アンデルセン博物館からの足で、帰りの電車の時間まで目的もなく散策。
歩いていると教会が目に留まる。
ヨーロッパの教会は扉が閉まっていることが多いが、勝手に開けて入っていいらしい。
私はびびりなのだが、ヨーロッパ文化に慣れたHちゃんは臆せずに近くの教会を開けて入っていく。
一つ目に入ったアルバン教会。次に行く聖クヌート教会では古代デンマークの王族の骸が安置されているのだが、こちらの教会で殺されたそう…
次に、近くにあった、名も知らない教会へ入る。
教会は、私たちを誘うように扉が開いていて、オルガンの音色が響いていた。なんだか、デジャブのあるような感覚ーというか、オーデンセに至るまで、ずっと不思議な感覚があった。
教会の床を踏み込んだ途端、全身に「懐かしい」感覚が蘇る。
なぜだろう? わからない。
見学をするHちゃんと離れ、私は一人でベンチに座った。
反響する音や高い天井、なぜか見覚えがある。
先ほども教会なら見たはずだ。でも、特に何も感じなかった。
私はもちろん遠くの日本で生まれ育った人間である。デンマークはおろか、海外もほぼ行ったことがない。私は、なぜか泣いていた。
どっと涙が溢れ出し、声を上げんばかりに泣いていた。
初の海外旅行で舞い上がっている気分が度を超したというよりも、全身が震える。
ここに「帰ってきた」と確かに記憶していた。
後で知ったのは、ここがアンデルセンが洗礼を受けた教会であるということ。
(その時は知らなかった)
そこにはデンマーク王族の遺骸などがあったのだが、感情が震えすぎて、写真を一枚も撮らなかった。自分の中の記憶が音を立てていた。
「ここに帰ってきた」
オーデンセの町が自分を祝福してくれるかのように、オルガンから美しい音色が流れていた。
アンデルセンとの邂逅
アンデルセンとの邂逅
共通点しか見つからなくて、自分に似ていた人というより、自分のような気がしてならない。
(またこんなこというと観光協会の人に怒られる…とも思うけど、「人魚姫」の世界みたいに、魂の転生ってやっぱりあると思う。)
アンデルセンがよく来ていたというコペンハーゲンのチボリ公園。(残念ながら今回は改装工事では入れなかった)
"私はいったいどこから来て、どこへ行くんだろう?”
遠くの国に来て、そんなことを初めて考えた。
見たことも味わったこともない不思議な気持ちでいっぱいになった。
少なくとも、この年齢まで自分のエゴで向き合えた音楽にしか向き合わなかった。
人間らしい振る舞いができていなかったし、狭い世界の中にいた。
でも、この日を境に、自分を変えていこうと決意した。
以前の「自分」(あるいはそのような人)に出会えたからかもしれない。
あーたんみたいに、「なりたい人」を身近に見たからかもしれない。あと、人付き合いがへたで人生の半分くらいずっと一人ぼっちだったけど、Hちゃんみたいに助けてくれる人が身の回りに現れたからかもしれない。
世界は広いから、もっといろいろなものが見たいと思った。
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